紅白テキスト合戦

~VIPでテキストサイトの管理人たちよ、戦え~

 

Runner/名無しにかわりましてVIPがお送りします

現代の日本人は、何をするにしても急ぎ過ぎだと思うんだ。
例えば、東京の駅にでも行ってみればよく分かる。移動するだけなのにみんな走っている。
歩けば事足りるのに、何をそんなに急いでいるんだ。
子供の頃を思い出してみればいい。移動手段じゃない、見るものすべてが珍しくて、楽しむため歩いていた時のことを。

日本人は走り過ぎている。

例えば、「アカギ」というマンガにこういう言葉が出てくる。

その時、八木に電流走る――

ちょっと油断するとすぐこれだ。
みんなで楽しく麻雀を打っているだけなのに、目を離した隙に取りあえず何かを走らせてしまう。
こういうのがダメなんだ。

・その時、八木の電流歩く――
これなら良い感じだ。
しかし、繰り返すようだけど、これはみんなで仲良く麻雀を打とうという漫画なのだ。
おとなしく座っててくれよ。

・その時、八木の電流止まる――
「まるで白痴だな……八木さん……」

・その時、八木の機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう

アカギはまだ良い。最もひどいのは、「走れメロス」という作品だ。
何故、走れなどと命令されなきゃいけないんだ。
自分で走るのみならず、他人にまで走ることを要求する。
これが現代日本のダメな所ではないだろうか。
太宰を自殺に追い込んだのは、そんな社会や、TOKYO――狂った街、僕の胸から消えてるPASSION――そういうものではないだろうか。
もっと優しくすれば、太宰も自殺しなくて済んだのではないだろうか。

優しい世界、太宰が死なずに済んだIFルート。
そんなメロスはどうだろう。

・眠れメロス
水飲んでお腹がいっぱいになっちゃったからね。仕方ないね。
ゴメン……間に合わなかった……でも……メロスとセリヌンゎ……ズッ友だよ……!

・葡萄の季節まで待ってくれメロス
花婿の家に何の支度も出来ていないからね、仕方ないね。
ゴメン……間に合わなかった……でも……メロスとセリヌンゎ……ズッ友だよ……!

・匍匐前進しろメロス
走ると疲れちゃうからね。
しかも、匍匐前進していれば山賊に見つからないという正解ルートだ。
でもネイルがゎれて……ぃたぃょ……
ゴメン……間に合わなかった……でも……メロスとセリヌンゎ……ズッ友だよ……!

・そうさ僕らは、世界に一つだけのメロス
一人ひとり違う種を持つ。その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい。
でも一生懸命になり過ぎて、ジャニーさんの怒りを買っちゃったんだね。
もう残された道は解散しかないね。
でも……メロスとセリヌンゎ……ズッ友だよ……!

・会いたくて会いたくて震えるメロス
多分風邪だからね。歩けなくても仕方ないね。
君想うほど遠く感じて
もう一度聞かせて嘘でも
あの日のように”好きだよ”って……ズッ友だよ……

・メロス以外メロスじゃないの
当たり前だけどね
だから報われない気持ちも整理して
生きていたいの
普通でしょう?

⇒そして、心中相手の女性のみが死んで、太宰は生き残りました。

めでたしめでたし。

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